今回は、本番環境で構築しようと思っている
アンテナ直下防水ケースの設計などをメインとして記載します。
アンテナ直下受信機の設置案
第1回の時に、アンテナ直下にラズパイを設置する意味を記載したと思います。
おさらい的に記載すると、周波数が高いと同軸ケーブル内で損失が高い為
出来るだけ太いアンテナケーブルを使って、屋内に引き込んで来る必要がある。
損失とは?
イメージではあるが、アンテナで受信した信号強度が10だとすると、
同軸が細く抵抗が高いと、SDRトングルに接続した際に、5位まで落ち込む事もある。
粗悪なケーブルを使うともっと落ち込む事がある。
よって、アンテナの下では受信出来ていたADS-B信号ですが、同軸ケーブルの損失により
微細な距離を渡ってきた電波がかき消され、SDRトングルで復調出来ない状況となる。
対策
では、損失を出来るだけ少なくするにはどうしたら良いか?
対策その1
ラズパイとSDRトングルを屋内に置きたい場合は、10D(同軸の太さ)とか15Dとかの
太さの高品質なケーブルを使う必要がある。ケーブルは、太くなればなるほど高価であり
さらに、太くなればなるほど、取り回しが難しいという局面がある。
参考までに、下記は、10d-fbのケーブルであるが、実にこの太さであり
さらに、これ1m3990円である。よって、アンテナから10mで39900円になるし
20mならその倍と考えると、どれだけケーブルが高いか想像出来る。
対策その2
こちらは、筆者が元々取ろうとしている対策であり、
アンテナ端子部が電波が一番強い事もあり受信部をアンテナ直下に設置すると、
アンテナからSDRトングルまでの距離を最小限にすることで
比較的細い低品質なケーブルであっても、損失が低く抑えられるという事。
ただし、良いことばかりではない。
アンテナ直下に置くと言う事は、雨の問題等を解消しないと行けない。
1つは、防水ボックスの設計と組込である。
もう1つは電源の問題。電源ケーブルとLANケーブルを2本通線して引き回す事を考えないと行けない。
これについては、第1回でも語っている通り、世の中LANケーブルに電源も載せて配信出来る
そんな規格が存在するPoE(power of Ethernet)である。
ラズパイにも、PoEを対応する為にHATが出ており、そちらをドッキングさせると
電源とネットワークをLANケーブル1本に集約出来る。
そのため、アンテナ直下に防水ボックスを取り付けて、LANケーブル1本で引き込みが完結出来る利点がある。
ただし、PoEHUBもしくは、PoEインジェクターが必要だったり手配する機材意外に高価である。
第1回にも乗せましたが、ICOMのIC-905は同様な思想に基づいて設計されています。
実際の防水ボックスの設計
こちらは、第1回・第3回でも記載があるが、レイアウトや装備・仕様について設計を行っている。
現段階としては、この程度で発熱や安定稼働する事が予想される設計にしている。
クーリングファンの5Vについては、ラズパイのUSBPortは4つついており
1つにはSDRトングルが接続されて、後3つあまっているので、そちらからUSB電源で
ファンを24時間駆動する仕様にしたいと思います。
PoEから電源取れるので、それで枯渇する事無く24時間給電が可能と思われます。
ボールベアリングタイプの高寿命タイプの4x4のファンを搭載したいと思います。
SDRトングルが相当熱いです。ヒートシンクも結局横に2枚追加しましたが
まだまだ熱いです。
ラズパイの電源、SDRトングルの電源、その先にあるフィルター/ブースターの電源についても
USBからSDRトングルへ電源を供給し、さらにSDRトングルのアンテナ端子から5vを出力し
フィルター/ブースターに電源を供給し動作させる。
ラズパイについては、メンテナンス向上の為、裏面にマジックテープを使い
取り外してメンテナンスしやすい様に固定する。SDカード等も生ものなので
長時間使っていると劣化してきて最後は故障しますので、その点も注意が必要。
リカバリー/再構築手順を用意しておく事で、有事の際、サクッと再構築出来る様に準備しておく。
余裕があったら、ラズパイ基板とSDRトングルとブースターは、もう1セットあると心強い。
SDRトングルは高発熱であることから、ヒートシンクを貼り付け、さらに防水ボックス側にも
アルミ板を設置し熱伝導シートにて固定する。発熱はヒートシンクとアルミ板へ伝達されて
クーリングファンにて防水ボックス外へ排出される。
ファンの吸気側と排気側の間に仕切りを設けて、必ず、ラズパイを通ってSDRトングルを通って
ブースターを通ってから排気出来るようにエアフローの流れを作る事にする。
ケース内張は、全面ステンレスのテープでいったんHFのアンテナも近い事から
出来るだけ影響を受けない様に加工を行う。
ヒートシンクは、下記のように熱伝導シートを使って、SDRトングルに貼り付けて使用している。
かなり放熱は良くなったと思われる。熱は水晶の精度を狂わせるので復調品質に影響する為
実は結構重要だと思っている。
978MHzについて
978MHzのADS-Bは、国内ではあまり運用されていないとの事で、
いったん保留にしていつでも、設置出来る状況にだけ準備しておく感じにしましょう。
よって、もう少しボックスの中が簡易な感じになりそうですね。
といっても、SDRトングル1つが無くなる位ですが。
本件について、色々調べたのですが、いまいち日本国内の運用についての記事事例がなかったので
おそらく運用されていない?と判断しました。よって、978MHzについてはがっつりカットしました。
総括
第4回はここまでです。部材がそろわないと組込が出来ないので
現在部材をそろえ中でございます。いったん机上でできる所はここまでになります。
せめて、ラズパイ4BとSDカードを買えば、本番環境をつくれるので、そちらを進めて行こうと思います。
この防水ケースもセットでキットで出すといいかも知れない。
必要部材全部入りって感じで。